鳥取研修その1「鳥取漆とは」

鳥取研修その1「鳥取漆とは」

8月も終わりに近づいているというのに厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、Instagramでも少しお知らせしておりましたが、地平線プロジェクトのメンバーは
石川研修に続き鳥取での漆掻き研修へ行ってまいりました!
皆様からいただいた温かいご支援は、鳥取漆の植樹・管理・漆掻き職人の育成、
そしてリターンの「お椀製作」のために大切に充てさせていただいております。

今回は、鳥取研修の様子に触れる前に一旦鳥取漆についてのお話を。



 

地平線プロジェクトの未来を支える「鳥取漆」のいま

鳥取漆の歴史は約20年前に遡ります。
2009年、当時梨畑だった土地に、漆芸家浅井康宏が父と共に植樹した100本がすべての始まりでした。
元々鳥取は昭和16年頃には全国10位の漆産地であったという記録が残っています。
しかしその数年後には生産量が激減し、いつしか漆の産地として名が挙がることはなくなっていきました。

そんなかつての伝統と文化を再び現代に呼び戻すべく、地平線プロジェクトは歩みを進めています。


各地から集まった個性豊かな漆の木々

鳥取漆の大きな特徴の一つが多様なルーツを持つ親木から作られていることです。
鳥取県三朝町をはじめ、新潟、岡山、茨城など、全国各地から親木をいただき植樹を行ってきました。
それぞれの漆の木には実に豊かな個性があります。
成長のスピードが早いものもあれば、他よりも多くの樹液を蓄えるものなど様々です。


漆の木から樹液を取り始められるようになるまでには、約10年という歳月がかかります。
木が大きく育つまでその特徴や畑との相性が分からないからこそ、
焦らず長い目で木々と付き合っていくことが大切になります。

毎年開催している植樹イベントによって植えられた木は順調にすくすくと育ってきています。
ただ、今年は植栽の時期が例年より少し遅れてしまったため、生育が心配される場面もありました。
ほんのわずかに時期がズレるだけでもうまく育たなくなってしまうほど、漆は非常に繊細な樹木なのです。


倉吉の風土と恵まれた環境

鳥取中北部に位置する倉吉は、冬になると積雪が70cm近くに達する日もある雪深い地域です。
一見すると厳しい環境に思えますが、漆は本来東北地方や日本海側の寒冷な地域が代表的な産地。
そのため、冬場に特別な養生を施さずとも順調に育ってくれます。

また、漆栽培における大きな壁の一つが「鹿」による獣害です。
鹿は漆の葉を好んで食べてしまうため、多くの地域で対策に苦慮しています。
しかし幸いなことに、倉吉の植栽地周辺には鹿が出没しないため獣害対策の手間や被害を抑えられており、
木々を健やかに育てる上で大きな強みとなっています。


次世代へ繋ぐ、新たな一歩

地域の風土に見守られながら育つ鳥取漆。
この豊かな資源と技術を未来へ繋ぐため、鳥取では今年度から待望の
「新しい漆掻き職人」の育成もスタートさせました。

鳥取研修シリーズは全4回を予定しております。
第2回、3回では研修中の京都スタッフによる害虫との戦い、酷暑の元での漆掻きの様子などをお伝えします。
第4回では、新たな職人手嶋さんのお話も交えての鳥取漆の未来についてです。
お楽しみに!

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